ジャイナ教の祖師ヴァルダマーナ

紀元前6世紀から紀元前5世紀のガンジス河中流域および下流域に現れた、ガウタマ・ブッダと同時代の思想家たちの一人。

彼は、ニガンタ派で修業を完成し、マハーヴィーラ(偉大な英雄)と称された。正確にいえば、彼はジャイナ教の開祖ではなく、24番目の祖師とされ、改革者であった。

思想はガウタマ・ブッダの仏教と同時代に同地方で同じ階級である王族出身者によって展開され、商業都市の商工業者を中心に受け入れられ、時代ごとに同様の変化を辿った。教理も神話伝説も共通なものが多い。仏教聖典はパーリ語でまとめられたが、ジャイナ教聖典はアルダ・マーガディー語で書かれた。ヴェーダ聖典の雅語サンスクリット語ではなく、俗語プラークリット語であることも共通している。教団の構成、出家修行僧の地位、在俗信者の帰依と支持、修行完成者の尊称、これらすべてが共通している。
あえて違いを探すなら、ジャイナ教は仏教よりも原始的で実在論的といわれる。苦行を重視し、断食による死は称賛される。そして、無所有と不殺生を徹底した。マハトマ・ガンジーのアヒンサーはジャイナ教を由来としている。
不殺生は信者にも求められるため、樵(きこり)や農家、漁師は信仰できない。小売業と金貸業の信仰を特に集め、資産家に支持されたことが現代に続く大きな要因と見られている。

この時代は貨幣制度の定着と、都市の形成、さらには、宗教家と資産家の地位が逆転する社会という価値観の混乱があったからこその思想であった。

参考文献:『NHKブックス111
原始仏教 その思想と生活』
中村元・著
NHK出版・刊
1970年3月20日発行

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