心理学用語に「バイアス」というものがある。「認知バイアス」と「感情バイアス」に分けられ、「認知と意思決定の歪み」といった意味合いがある。『認知バイアス – Wikipedia』を見ると以下の種類が列記されている。掲載されていないものについては、各項目に引用元を付け加えた。
人間の煩悩はこれらが要因で働き、本人は幸せになるつもりが、反対に不幸を招いていると考えられる。ガウタマ・シッダールタはこれらの「無明」を避けるために「自分自身を知ること」を勧め、惑わされずに徹底管理する「自分自身の主」になることを修養の一環としていた。
認知バイアス
分類
リスキーシフト
社会心理学の用語で、普段は穏健な考え方をし比較的節度を守って行動することのできる人が、大勢の集団の中では、その成員が極端な言動を行ってもそれを特に気に掛けもせずに同調したり、一緒になって主張したりするようになっていくことをいう。
これは集団の中で同時発生的にも、又、個々別々にも生じてくる。集団の全員が、より保守的もしくはより自由主義的な立場に自分の見解を変更し、それによってそのケースでは、客観的には全く間違いとしかいいようがない集団の中での合意が形成されてしまうというものである。つまり、個人であれば犯さないような間違いを集団の中では、次第に危険度(リスク)の高い方向に言動が傾斜していく事である。つまり、個人が個々に質問を受ければ、そのような事は起こらないのだが、集団が集団として何らかの決定に関しての議論の経過で、性急に合意形成を図ろうとした場合に、このような事が起きやすいといわれる。
引用元:『リスキーシフト – Wikipedia』
コンコルド効果
「埋没費用効果」の別名であり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。
引用元:『コンコルド効果 – Wikipedia』
錯誤相関
相関がないデータに相関があると思い込んでしまう現象。
引用元:『錯誤相関 – Wikipedia』
一貫性バイアス
ある人物の過去の態度や行動が、現在もほぼ変わらず近い状態であると思い込んでいることを一貫性バイアスと言います。言い換えると、ある人物の態度やスタンスが、将来においても一貫性があり不変だと思ってしまうことです。一貫性バイアスは、自分に対してではなく、他者に対して働く、観察者バイアスの一種です。
引用元:『一貫性バイアス | 記憶 | 錯思コレクション Collection of Cognitive Biases』
自己中心性バイアス
「過去の事実(記憶)を自分の都合が良いように解釈・改変してしまう傾向のこと」です。
引用元:『自己中心性バイアス|ネットde科学』
事前確率無視、基準率の無視
自身が持っている概念との合致度を優先してしまい、本来基準とすべき情報を無視したり軽視したりすることがあります。これは基準率の無視と呼ばれています。
引用元:『基準率の無視 | 意思決定・信念 | 錯思コレクション Collection of Cognitive Biases』
フレーミング効果
同じ内容であっても、情報の呈示方法により選択肢の好みが影響される現象をフレーミングと呼びます。
引用元:『フレーミング効果 | 意思決定・信念 | 錯思コレクション Collection of Cognitive Biases』
非対称な洞察の錯覚
自分は他人にとって不可解なものであると信じながら、自分以外のものは読み解けると思い込んでいる。
引用元:『「非対称な洞察の錯覚」から学ぶ、人が互いにわかりあうための第一歩 | ライフハッカー[日本版]』
自己奉仕バイアス
成功を当人の内面的または個人的要因に帰属させ、失敗を制御不能な状況的要因に帰属させること。
引用元:『自己奉仕バイアス – Wikipedia』
投影バイアス
自己のとある衝動や資質を認めたくないとき(否認)、自分自身を守るために、他の人間にその悪い面を押し付けてしまう(帰属させる)ような心の働きを言う。これには責任転嫁が含まれ、たとえば習慣的に失礼なふるまいをしている人は常に、他人の事を失礼な人であると非難することがある。一般的には悪い面を強調することが多いが、良い投影も存在する。
引用元:『投影 – Wikipedia』
内集団バイアス
自分が所属する集団(内集団)のメンバーの方が、それ以外の集団(外集団)のメンバーに比べて人格や能力が優れていると認知し、優遇する現象を内集団バイアス、あるいは内集団びいきと言います。なお、集団を区別する基準が無意味なもので、相手と直接的な相互作用がなく、自分がそれによって利益を得る可能性がないような場合でも、自分と同じ集団のメンバーだと認識した人には内集団びいきを示しやすいことが明らかになっています。
引用元:『内集団バイアス | 他者・自己 | 錯思コレクション Collection of Cognitive Biases』
外集団同質性バイアス
自分の所属する集団の多様性が他集団よりも高いとみなすバイアスのこと。
引用元:『外集団同質性バイアス – Wikipedia』
後知恵バイアス
過去の事象を全て予測可能であったかのように見る傾向。
確証バイアス、追認バイアス
個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという傾向。いったんある決断をおこなってしまうと、その後に得られた情報を決断した内容に有利に解釈する傾向をさす。
根本的な帰属の誤り
状況の影響を過小評価し、個人特性を過大評価して人間の行動を説明する傾向。
正常性バイアス
自然災害や火事(山火事、放火など)、事故・事件(テロリズム等の犯罪、ほか)などといった何らかの被害が予想される状況下にあっても、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」などと過小評価したりしてしまう人の心の特性。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う。
アンカリング
ある事象の評価が、ヒントとして与えられた情報に引きずられてしまうこと。
保守性
人間が新しい事実に直面したときに、それまで持っていた考えに固執してその考えを徐々にしか変化させられない傾向をさす。
感情バイアス
感情的要因による認知と意思決定の歪みである。
すなわち、人間は一般に以下のようにする傾向がある。
- たとえ相反する証拠があっても、心地よい感覚をもたらす肯定的な感情効果のあることを信じたがる。
- 好ましくない、精神的苦痛を与えるような厳しい事実を受け入れたがらない。
これらの要因は個人的かつ自己中心的(自己中心性)であるか、対人関係や集団の影響(同調、同調圧力)に結びついている。
引用元:『感情バイアス – Wikipedia』
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