唯物論アジタ・ケーサカンバリン

紀元前6世紀から紀元前5世紀のガンジス河中流域および下流域に現れた、ガウタマ・ブッダと同時代の思想家たちの一人。

彼は、地・水・火・風の四元素のみが実在するとした。ただし、マッカリ・ゴーサーラの宿命論と同じく、虚空は四元素を存在せしめる場所として認めていた。
人間はこの四元素から構成されるという。人間が死ぬと、人間を構成していた地は外界の地の集合に帰り、水は水の集合に、火は火の集合に、風は風の集合に帰り、もろもろの機官の能力は虚空に帰入する。人間そのものは死とともに無となる。霊魂は存在しないとした。したがって転生説も否定する。カルマも認めないので、当然に、パクダ・カッチャーヤナの七要素説と同様の道徳否定を展開する。

この時代は貨幣制度の定着と、都市の形成、さらには、宗教家と資産家の地位が逆転する社会という価値観の混乱があった。

参考文献:『NHKブックス111
原始仏教 その思想と生活』
中村元・著
NHK出版・刊
1970年3月20日発行

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