紀元前6世紀から紀元前5世紀のガンジス河中流域および下流域に現れた、ガウタマ・ブッダと同時代の思想家たちの一人。
彼は、真理をあるがままに認識し、叙述することは不可能であるとした。したがって、世界を構成する元素についてや転生についても確定的な返答を避けた。劣っているからではない。誰も知ることはできないとしたのだ。
伝承では、ガウタマ・ブッダの二大弟子サーリプッタ(舎利弗)と大モッガラーナ(大目犍連)は彼の弟子であったが、ガウタマ・ブッダに出会ってから、他の250人の弟子と共にガウタマ・ブッダの弟子となったという。すなわち、ガウタマ・ブッダの思想はサンジャヤ・ベーラッティプッタの懐疑論と重なる部分があり、それをこえたところにあると承認されたことを示す。
この時代は貨幣制度の定着と、都市の形成、さらには、宗教家と資産家の地位が逆転する社会という価値観の混乱があった。
参考文献:『NHKブックス111
原始仏教 その思想と生活』
中村元・著
NHK出版・刊
1970年3月20日発行
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